宅建業法 /免許の基準(欠格事由)/解答解説 |
| 【問 1】 解答解説 (平成16年 問31) 1 誤り。 [政令使用人の罰金刑] A社の政令使用人が,刑法の背任罪により罰金刑に処せられ,その執行を終わった日から5年を経過していないため,A社は免許を受けることができない。 2 誤り。 [執行猶予期間の満了] B社の取締役が,刑法の傷害罪により,懲役1年執行猶予2年の刑に処せられた場合,執行猶予期間が満了すれば,B社はその翌日から免許を受けることができる。 満了の日から5年を経過する必要はない。 3 正しい。 [名義貸しによる免許取消] 名義貸しの禁止違反は,業務停止処分事由に該当する。 業務停止処分事由に該当し,その情状が特に重いとして免許を取り消された場合,その取消しの日から5年間は,Cは免許を受けることができない。 4 誤り。 [破産者の復権] かつて破産者であっても,現在,復権を得ていれば,経済的な欠格事由はなくなり,Dは復権の翌日から免許を受けることができる。 復権の日から5年を経過する必要はない。 [正解] 3 * 執行猶予期間が満了したら 執行猶予というのは, 「刑の言渡しはするが,情状によって刑の執行を一定期間猶予し,猶予期間を無事経過したときは,刑罰権を消滅させる制度」 をいいます。 有罪として刑を言い渡しますが,刑務所に拘束しない (刑を執行しない) で,社会生活を送る中で更正を図るのです。 執行猶予は,刑の執行を猶予するだけですから,有罪として刑が宣告されたという事実に変わりはありません。執行猶予がつけられても,刑の言渡しはあったのですから 「刑に処せられた」 ことになるのです。 執行猶予期間が無事終了すると,刑法上は刑の言渡しそのものが効力を失い, 「刑に処せられなかった」 という効果が与えられます。 「刑に処せられなかった」 のですから,直ちに免許を受けることができます。5年の欠格期間は必要ないのです。 【問 2】 解答解説 (平成15年 問31) 会社 (法人) が免許を受けられるかどうかは,@会社自身に欠格事由がないか,または,A会社の意思決定に関与する役員・政令使用人に欠格事由がないか,の両面から検討する必要がある。 Aの場合,役員・政令使用人のうちに欠格事由に該当する者がいれば,会社自身が免許を受けることができない。法人の中枢部に該当者がいれば,結局のところ,法人自身に欠格事由があるのと同じだからだ。本問は,Aに関する問題である。 1 誤り。 [役員の罰金刑] 法人の役員のうちに,刑法の私文書偽造罪により罰金刑に処せられた者がいても,そもそも欠格事由に該当しないから,刑の執行後5年を経過していなくて,法人は免許を受けることができる。 欠格事由となる罰金刑は,刑法上の暴行罪・傷害罪等や,宅建業法違反による場合など,一定の犯罪に限定されている。 2 誤り。 [役員の懲役刑] 判決に執行猶予がついていれば,執行猶予期間が満了するまでは免許は受けられない。 「直ちに免許を受ける」 ことはできないのだ。 3 誤り。 [役員の懲役刑,罰金刑] 役員のうちに,@犯罪の種類に関係なく,懲役刑 (禁錮以上の刑) に処せられた者がいる場合や,A宅建業法に違反して罰金刑に処せられた者がいる場合は,法人は免許を受けることができない。 4 正しい。 [役員の罰金刑] 役員のうちに,刑法の傷害罪により罰金刑に処せられた者がいても,刑の執行が終わって5年を経過すれば,もはや欠格事由に該当しなくなるから,法人は免許を受けることができる。 [正解] 4 【問 3】 解答解説 (平成5年 問36) 1 できる。 [役員の罰金刑] A社の取締役Bが,刑法の業務妨害罪により罰金刑に処せられても,欠格事由に該当せず,A社は免許を受けることができる。 免許の欠格事由となる罰金刑は,刑法上の暴行罪・傷害罪等による場合や,宅建業法違反の場合など,犯罪が限定されており,業務妨害罪はこれに入っていないのだ。 2 できない。 [政令使用人の不正行為] C社の政令使用人Dが,3年前に,土地の投機的取引に関連して,国土法27条の4の届出 (注視区域における権利移転等の届出) をせず,かつ, 「無免許で宅地の売買を数回行っていた」 場合は, 『免許の申請前5年以内に宅建業に関し不正または著しく不当な行為をした者』 という欠格事由に該当するため,C社は免許を受けることができない。 3 できない。 [役員の欠格事由] E社の相談役Fが, 「指定暴力団」 の構成員で,かつ,社長よりもE社に対する支配力が大きい場合は,法人の役員について, 『宅建業に関し不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者』 という欠格事由に該当するから,E社は免許を受けることができない。 4 できない。 [役員の欠格事由] H社の取締役Iが,J社の代表取締役であったときに,J社が業務停止処分に該当し,その情状が特に重いとして免許取消処分を受けた場合,免許取消の日から5年を経過していないから,H社は免許を受けることができない。 [正解] 1 【問 4】 解答解説 (平成8年 問37) 1 できる。 [執行猶予期間の満了] 支店の代表者 (政令使用人) が,懲役1年執行猶予2年の刑に処せられても,執行猶予期間が無事に満了すれば,刑に処せられなかったことになるから,A社は直ちに免許を受けることができる。 満了の日から5年間を経過する必要はない。 2 できない。 [役員の罰金刑] 代表取締役が,刑法の暴行罪により罰金刑に処せられ,罰金を納付して刑の執行を終わったとしても,その日から5年間はなお欠格事由に該当しており,B社は免許を受けられない。 3 できない。 [聴聞手続開始後の廃業等の届出] C社が,不正手段による免許取得を理由に,免許取消処分の聴聞手続開始後,その処分決定前に,相当の理由なく廃業の届出をしたときは,届出の日から5年間は免許を受けられない。 4 できない。 [役員の罰金刑] 常勤・非常勤に関係なく,取締役が,刑法の脅迫罪により罰金刑に処せられ,罰金を納付して刑の執行を終わったとしても,その日から5年間はなお欠格事由に該当しており,D社は免許を受けられない。 [正解] 1 * 略式命令 略式命令というのは,書面審理だけで刑を言い渡す簡略な刑事裁判手続のことです。 簡易裁判所が,罰金や科料を言い渡す場合に多く用いられます。この用語を知らなくても, 「暴行罪で罰金」 という記述から,正解してほしいものです。 【問 5】 解答解説 (平成17年 問31) 1 誤り。 [執行猶予期間の満了] A社の役員または政令使用人のうちに,免許の欠格事由に該当する者がいれば,A社は免許を受けられないが,取締役Bが退任した後であれば,A社には欠格事由はなくなり,Bの執行猶予期間に関係なく,免許を受けることができる。 2 誤り。 [役員の罰金刑] C社の取締役が,刑法の贈賄罪により罰金刑に処せられても,欠格事由には該当しないから,刑の執行終了後5年を経過していなくても,C社は免許を受けることができる。 3 誤り。 [執行猶予期間の満了] D社の取締役が,懲役1年執行猶予2年の刑に処せられた場合,執行猶予の言渡しを取り消されることなく執行猶予期間が満了すれば,D社はその翌日から免許を受けることができる。満了の日から5年を経過しなくてもよい。 4 正しい。 [免許の取消処分] 法人の役員について,免許の欠格事由が生じることになれば,その法人の免許は取り消される。 E社の取締役Fが,刑法の暴行罪により罰金刑に処せられた場合には,E社の免許は取り消されてしまう。 [正解] 4 【問 6】 解答解説 (平成1年 問39) 1 できない。 [法定代理人の欠格事由] 営業に関し,成年者と同一の行為能力を有しない未成年者Aは,その法定代理人Bが,刑法の背任罪により罰金刑に処せられ,その刑の執行を終わった日から5年を経過していないときは欠格事由に該当し,免許を受けられない。 2 できる。 [聴聞手続公示後の廃業等の届出] 業務停止処分についての聴聞の期日・場所の公示後に,相当の理由なく廃業の届出をした場合は,その日から5年を経過していなくても免許を受けることができる。 66条1項8号・9号 (不正手段による免許取得や業務停止処分違反等) を理由とする免許取消処分についての聴聞手続と混同しないように。 3 できない。 [執行猶予期間中] 取締役Dが,懲役1年,執行猶予3年の刑に処せられ,その執行猶予期間が満了していない場合,E社は免許を受けることができない。 刑の執行猶予期間中は,まだ刑に処せられているのだ。 4 できない。 [60日以内の役員] 法人が,不正手段による免許取得を理由に免許を取り消された場合,聴聞期日・場所の公示日前60日以内に役員であった者は,法人の免許取消しの日から5年間は免許を受けることができない。 取締役Gは,公示日の 「30日前」 に退任しているため欠格事由に該当するから,免許は受けられない。 [正解] 2 【問 7】 解答解説 (平成18年 問30) 1 誤り。 [執行猶予期間の満了] A社の取締役が,懲役1年執行猶予2年の刑に処せられ,執行猶予期間が満了した場合には,刑に処せられなかったことになるから,その 「満了の日から5年を経過」 しなくても,A社は直ちに免許を受けられる。 2 正しい。 [60日以内の役員] 法人が,不正手段による免許取得を理由に免許を取り消された場合,取消に係る聴聞期日・場所の公示日前60日以内にその役員であった者は,法人の免許取消の日から5年間は免許を受けられない。 したがって,公示日30日前に取締役を退任した取締役Cは,免許を受けることはできない。 3 誤り。 [控訴中の場合] D社の取締役が,懲役2年の判決を言い渡されたが 「控訴して現在裁判が係属中」 の場合は,禁錮以上の刑に処せられたとはいえず,D社は欠格事由に該当しないため,免許を受けることができる。 4 誤り。 [聴聞手続開始後の廃業等の届出] E社が,業務停止処分についての聴聞期日・場所を公示された後,聴聞前に,相当の理由なく廃業の届出をした場合は,届出の日から5年を経過しなくても,免許を受けることができる。 廃業の届出が欠格事由となるのは,66条1項8号・9号 (不正手段による免許取得や業務停止処分違反等) を理由として,免許取消処分に係る聴聞手続があった場合である。 [正解] 2 【問 8】 解答解説 (平成19年 問33) 1 誤り。 [事務所の意味] 乙県の支店でのみ宅建業を営む場合でも,甲県の本店は常に事務所に該当するから,A社は,2以上の都道府県に事務所を設置して事業を営むこととなり,国土交通大臣の免許を受けなければならない。 2 誤り。 [役員の罰金刑] B社の取締役が,刑法の過失傷害罪により罰金刑に処せられても,欠格事由には該当しないから,B社の免許は取り消されない。 3 正しい。 [業務停止処分違反による免許取消処分] C社が,業務停止処分違反を理由に免許を取り消され,その取消しの日から5年を経過していない場合は,C社は免許を受けることができない。 4 誤り。 [役員の復権] D社の取締役が,かつて破産宣告を受けても,復権を得れば,復権から5年を経過しなくても,D社は免許を受けることができる。 [正解] 3 |